OLYMPUS PEN D3でスナップしてみる②
前回の続きです。
初めてD3で撮影した写真を現像に出し、↑の写真が出てきたときには「おお!」となりました。内容としては大した写真ではありませんが、F8くらいで2mほど先の電柱にピントを合わせています。
絞り込んでいるので当然ではありますが写すべきところはきちっと写し、それでも背景はナチュラルにボケていっています。
これは横構図で撮っていましたが、ハーフカメラといえば縦構図ですよね。
私はあまり縦構図を使う習慣が無かったのですが、72枚も撮るとさすがにだんだん慣れてきました。
1日使ったら、だんだん縦構図で景色を見れるようになってきた pic.twitter.com/gS1W8wYN5S
— neohiko (@Aikatsuaddict) February 12, 2022
話が逸れますが、街中とかではよくスマホを縦に構えて写真を撮ってるひとがいますよね。自撮りとかなら分かりますが、子供の発表ビデオなんかもそのように撮っていることが多いので驚きます。
テレビ/PCモニタでの視聴のみを是とする僕の感覚が古いのは重々承知ですが、願わくばそのような写真/動画撮影方式が一般的にはなりませんように。。
さてしかしそんな現代人にとって、このハーフカメラというものは存外相性が良いのかもしれません。その縦構図だけでなく、気軽さや画質などについてもそんな気がしています。
そしてなにより本来(Dシリーズは除いて)OlympusPENというシリーズがターゲットにしたのは、上述したようなカメラの撮影自体には興味のない層で、被写体を気軽に記録できれば良いといった層であるかと思います。
少し失礼な物言いになってしまいましたが、そんなことを考えていたので、すこし肩の力を抜いて撮影を楽しむことができました。
🐣
— neohiko (@Aikatsuaddict) February 12, 2022
olympus pen-d3 pic.twitter.com/otw7hQHa3s
同じ広角よりの画角でも、何故かGRを持っている時とは違う視点でシャッターを切れた気がします。不思議です。
無理やり解放1.7で撮影したらこんな感じに。
浮き輪のあたりにピントを置いたつもりでしたが、すこし画面の手前に来てしまったようです。まあこんな時間から解放で使うのは難しそうだな、ということだけ理解しました。(わかってました)。
無理やり逆光で撮るとこんな感じ。そういえば5枚絞りでした。
まとめ
これまでもゾーンフォーカス機はいくつか所有していましたが、完全に目測指定のカメラは今回が初めてでした。
まあある程度絞れば何とでもなることはわかりましたので、こんな感じでたまに持ち出して使っていければと思います。
そしてコツがつかめれば、憧れのRollei35購入の踏ん切りもつくんじゃないかなと…思っています。
OLYMPUS PEN D3でスナップしてみる①
昨日中野のフジヤカメラに行ったのですが、既にショーウィンドウ内の値札がオリンパス/OMD表記になっていてびっくりしました。
諸行無常を感じます。
いろいろ話題のオリンパスですが、彼が元気だった頃の名機PenD3でスナップしてきました。
オリンパスが誇るハーフカメラブランドのPenですが、一眼レフのFシリーズの他にも、このDシリーズという「プロ仕様のペン(*1)」がありました。
*1:公式サイトにそう書いてあります。値段はEEとかとあんま変わらなかったけれど。
僕が今回手に入れたのはこのD3というモデル。
名前の通り、D→D2→D3と来た3世代目です。
1965年。フィルムカメラブームを牽引するTrip35登場の3年前に発売されたカメラでして、この3代目を最後にDシリーズは終焉を迎えました。※EEDは無視します。
実は以前にヤフオクで完動品と書かれた初代Dを落札していたのですが、これがまたエライ代物で。まあオークションでカメラを買って文句を言うのも筋違いですので、今度はD3を新宿のカメラBOXさんでじっくり確認ののち購入した次第です。
たしか13kくらいだったかと思います。店舗販売で整備なしならこんなものでしょう。
参考①:上がPEN D、下がD3。俯瞰して見ると見た目は変わりません。
参考②:上がPEN D、下がD3。
D2以降は露出計がセレン光電からCdSに変更され、このような見た目になります。
解放も1.9→1.7に進化し、ピンボケ写真を量産しやすくなりました。
というわけで手に入れたD3でしたが、実は購入して半年ほど経っているにも関わらず、まだ2回しか現像に出していません。
これには
・単純にあまり気に入ってなかったから
・72枚って撮りきらなくね?
・ほかにもカメラを買いすぎたから
など理由はあったのですが、久々に使ったところ印象が全くひっくり返りましたのでブログにしたという流れです。
使用感は、お世辞にもいいものではありません。
質感はそれなりにいいですが、年代と値段を考えると当然のレベルでしょう。
プラスチックのダイヤル巻き上げは、写真を撮るモチベーションを高揚させません。
そしてコンパクト機なのでシャッター音は当然控えめ。そこに不満はないのですが、どちらかというと巻き上げ完了時の音がシャッター音ぽく聞こえて少し不安になります。
※これには理由があり、上述のジャンクDが「シャッターきれない。が、巻き上げと同時にシャッターも落ちる」という代物だったことが関係しています。
でもコンパクト機なんでそれでいいんですよね。
当たり前の部分に文句を垂れていた自分は器が小さかったなと反省しています。
気が付くと、この質素な使用感をこの上なく気に入ってしまっていました。
僕の常備カメラはGRですが、フィルム気分の時はいつもこれを持ち歩いています。
72枚撮りのハーフカメラはスナップに最適ですし、フルマニュアルで撮影できる本機は、適度に僕の撮影欲を満たしてくれます。
以前Kodakの現像を頼んだ時は一枚ずつに切り分けてくれたのですが、フジに頼んだら2枚組ででてきました。安いしこのほうがハーフ感があっていいかもしれません。安いし。
プリントしたくなったら1枚ずつにトリミングすればいいし、と思いましたが、72枚やるのは気が遠くなりそうです。
憧れのスイバル Coolpix950(E950)
こんにちは。
先日、かねてから気になっていたカメラを購入しました。タイトルの通り、Nikon Coolpix950です。
皆さんご存じの通り、懐かしのスイバルカメラです!
メガピクセル機です!すごそう!
茶番はさておき
現代の視線で見ると性能が低すぎるため、スペックで製品の魅力を語ることは難しいカメラです。当時を知らない僕たちは、とりあえず使ってみて、出てきた絵で判断するしかないのです。
どうでもいいですが、昨今このカメラのことを調べようとするとネオ一眼のCoolpix P950が邪魔してきます。とくにインスタのタグ検索で顕著なのですが、まあE950の写真をインスタに載せるような好事家はいないのでしょう。
(1)デザイン
発売が1999年って20世紀かよ。僕は3歳になったところでした。それでいてこのデザイン。
スイバルに過去の遺物というイメージがなければ、平成ノスタルジーどころか未来すら感じられたでしょう。
それでいてどこからどう見てもNikonを感じます。
私がジウジアーロデザインのもの=Nikonと思っているだけなのかもしれませんが。
まあ大方はこの赤グリップラバーによるものかと思います。(私はVWのGolf GTIや富士通PCの赤ラインにもNikonを感じています。)
そして、サイズは意外と大きいです。
比較対象の富士フイルムx-E1との比較では、高さは変わらないものの幅/厚さが一回り大きくなります。
ただここはスイバルらしく、畳んだ状態ではでっぱりもなくコートのポケットにも入れられました。
質感も非常に高いです。当時価格12万を思えば当然かもしれませんが、今どき10万で売られてるミラーレスよりよっぽど高級感があります。
オタクはマグネシウム合金製の外観に弱いといいますが、多分に漏れず私もそうなのです。
PENTAX Qはマグネシウム製の初代のみ2台持っていますし、マグネシウムという言葉にはそれだけ力がある気がします。似たような言葉には「チタン」「カーボン」などもあります。
(2)スペック等
簡単にスペックを列挙するとこんな感じです。
焦点距離:38mm-115mm
F値:F2.6-F4
センサー:1/2型CCD
撮影感度:ISO80
これらの情報だけでも突っ込みどころがいくつも出てきます。逆にすごいカメラなのかもしれません。
①焦点距離
35㎜換算38-105mmと、なかなか便利な標準ズームです。
これだけ聞くと普通のコンデジっぽく聞こえますが、使い勝手は全く違います。なぜなら、電源ONでテレ端から始まるためです。なんでだよって感じですが、なぜか電源を入れるとテレ端から始まるのです。
※正確にはさらにズームが可能ですが、それ以上は電子ズームです。ズームのうちに入りません。
ぱぱっと前のものを撮ろうというのに、いちいちワイド側に戻す必要があります。ズームに伴って鏡胴が伸びるわけでもないのに何故この仕様なのか、甚だ疑問です。※私が気が付いていないだけでデフォルト焦点距離が設定されている可能性はあります。
ワイド端で撮るとこんな感じ。
なぜこのカメラがテレ端から始まるのか、よく理解できましたね。ワイド側の歪みがすごいからです。
じつはこのカメラには別途テレコン・ワイコンなどが用意されています。ワイコンには2種類あり、初期型はあまりの歪みから歪コンなどと呼ばれているそうですが、そりゃベースの時点でこれじゃあねえといったところでしょう。
そしてテレ端だとこう。
曇りということもありF6.8 まで絞られており、まあボケは観測できません。写りもまあ、こんなものでしょう。
じゃあこのカメラの活躍できる場所はどこにあるのでしょう?そう、接写です!
機能を生かし切れていない作例で恐縮ですが、マクロモードを使うと2cmまで接写できるみたいです。たこ焼きの食べたさに負け、機能検証がおろそかになりました。
ただ写りもそれなりによく、テーブルフォトにはばっちりのようです。まあそれなりの写りで良ければスマホでよいのですが。
②センサー
考えてみると1/2ってなかなかなものですよね。私の愛機PENTAX Qより大きいセンサなわけですし。
時代的にCCDセンサーというのも良いです。
CCDセンサーと聞いただけで、上のたこ焼きの写真すら原色というか、鮮やかさが増して見える気がしてきます。CCDセンサーに感じる有難みというのは、ここ20年で意味がずいぶん変わりましたね。
発色に不満はありません。
③感度
基本ISO80固定ですが、ISO100もしくは+1~2段の設定が可能です。
ISO80に対する1-2段のプラス設定とのことだけど、それってISO160-240ってこと?よくわからないです。。そのうち試します。
上のたこ焼きも、室内でISO80、1/50のF2.6です。
たしかに明るめのフードコートならそれくらいの設定で撮れるのでしょうが、なかなかやらない感度設定ですね。
今どきのカメラに慣れていると正直ありえないスペックですが、私は日頃使うフィルムもISO100-200くらいですし、正直あまり困りません。
それに実際、光源さえあれば普通に使えます。
(ISO80 1/16 F2.9)
ISO200のフィルムを平気で夜でも使うのに、オールドデジカメとなると途端に夜間撮影が信じられなくなってしまいます。暗ければフラッシュ焚けばいいだけなに。
高感度利用に慣れすぎた現代人たちよ、フラッシュに戻っておいで。
④ファインダー
このカメラ、なんとズーム連動式光学ファインダーと背面モニタの両構えなのです。スイバルカメラなので当然ですが。
ファインダーの視野率は85%と全く信頼できませんが、有るのとないのじゃ大違いです。シビアに構図を決めたいときは液晶を使えばいいですし、晴天時や気分を上げたいときはファインダーを使えますしね。
レンズを手前に向ければ自撮りだって簡単です。
可動液晶を用いる昨今とは真逆のアプローチですが、グリップ性を考えるとこちらのほうが上手でしょう。
⑤操作性
良くも悪くも、デジタルカメラ黎明期らしい操作性です。電源ダイヤルの設定でオート/マニュアルを切り替えられます。
SS優先時はそれなりに自由に設定が可能ですが、絞り優先は2.6 4.4 7.4の3択のみです。ニコンはAv/ss優先論争ではAv派だったはずですが、時代も変わったものです。
ちなみにマニュアルフォーカスも可能ですが、背面液晶から撮影距離を入力するというなかなかハードモードになります。
その辺も実際にやってみようと思っていたのですが、電池が切れました。
新品の単三いれてたはずなんだけどな。フラッシュ焚いてたからかな。
エネループも高いし、てなわけで今回のレビューはおしまいです。
CONTESSA35を買った②
お疲れ様です。新宿PPです。
タイトル通り、先日買ったコンテッサちゃんのお話の続きとなります。
(CONTESSAは「伯爵夫人」という意味らしいので、ちゃん付けで呼ぶのもどうかという気がしてきました)
でも伯爵夫人ちゃん、意外とかわいいですね。
今回は撮ってきた写真を交えて紹介するとお伝えしておりましたが、あれは嘘です。
次回までには必ずご用意いたします…。
本題
せっかくなのでもう少しカメラの紹介をします。
まあ丁寧な図解をしてくださっているサイトは山ほどあるので、私からはちょっと付属品の紹介をできればと思います。
(時間があったら丁寧な解説を追記していきます。丁寧な図解サイトは更新がゼロ年代初頭などが多く、いつまで残っているかもわからないので…)
今回お迎えしたコンテッサちゃんの付属品は以下2点です。
(1)革ケース
(2)レンズフィルター
では見ていきましょう。
(1)革ケースについて
このカメラ用のカバーを選ぶ際は、ある制約がついてきます。
巻上ダイヤルが機体の下部についており、通常のカバーをつけてしまうとフィルムが送れなくなってしまうのです。
ところが本カバーを使う場合、底辺にもダイヤルが設置されているため、ピンを合わせて差し込めばカバー底のダイヤルでフィルムが送れるようになるのです!
今どきのカメラカバーなんて、どうやって固定するのかも分からない貧弱なカバーが多く、うまくつけられたところで液晶を避けるためほとんどカメラを保護できていません(偏見)。それに比べ、コンテッサちゃんのカバーは完璧です。蓋部分を外してなお、機体の3方を完璧にガードしています。
またカメラの固定器具にもギミックが仕込まれており、ツメを押し上げてカメラ側の突起に合わせることで、カメラに確実に固定することに成功しています。
これを纏っておけばもう何も怖くない、完璧なカバーです。
③今日のオチ
そんな堅牢なカバーを付けた状態の写真です。
巻き上げダイヤルのみを底面に着けたため、水平に立たせることができません。
どうしてこうなった…。
(2)レンズフィルターについて
今日のオチは済ませたので、あとは消化戦です。
コンテッサちゃんには↓こんな感じでフィルターが3枚付属していました。
横にしてみるとこんな感じです。
フィルター横面には「Zeiss ikon Stuttgart」とか「Germany」とか書いてあってかっこいいですが、ケースの土台がプラスチックのため少し興ざめです。
赤黄緑の3枚セットで、NDフィルターではなさそう。
どう使うんでしょう。
ロモグラフィーのアレかな?(そんなファンキーなコンテッサは嫌だ…)
まあご存じのとおり整色フィルターです。
モノクロフィルムが安かった時代ならともかく、現代ではなかなか使う機会には恵まれません。てなわけでこいつはストラップから外しておきます。
いつか使ってやるから、せめて安らかに…。
CONTESSA35を買った①
はじめに
大学を卒業以来、自分の文章を発表できる場もなくなり、
唯一の活動の場だったコミケすら中止となった今、久しぶりにブログの更新を思い立ちました。
数年ぶりにはてなブログにログインしたのですが、自分が二日坊主で放置したアイカツ!感想記事だけはコンスタントに100view/月くらいいただけていてびっくりしています。再放送の力は強い。
本題
前置きはともかく、昨日Contessa35というカメラを買いました。
↓こんなカメラです。
まあ私の記事にいらっしゃったということはカメラ名で検索されて来られたものと思いますので、そんなに細かい説明は省かせていただきます。と思いましたが、私の備忘録がてら調べた内容を記載します。まとめておかないと先人のブログを何度も検索するはめになるので。。
このカメラはこんなカメラです。
【CONTESSA35】
- レンズ:Tessar 45mm F2.8(前期Zeiss Opton、後期Carl Zeiss)
- メーカー:ZEISS IKON
- 製造年:1950~1955
-
シャッター:前期CompurRapid、後期SynchroCompur
- シャッタースピード:B~500mm/s
- 撮影距離:3feet~∞(0.9144m~)
スペックだけでは何とも言えないカメラですが、実際に手に持ってみると迫力が違います。70年近く前のものとはいえ超高級品であり、当時生まれていたらとても買えなかったものなのでしょう。
いったい当時いくらで売られていたのかが気になりますが、まったく情報が得られませんでした。こちらはもう少し調査を継続します。
そんなコンテッサちゃんですが、みんな大好き新宿カメラ市場さんで完動品/付属品あり10000円という超特価で発見してしまい、思わずお持ち帰りしてしまったのが今回の顛末です(相場は知りませんが…)。
さて、それでは私のコンテッサちゃんをよく見ていこうと思います。
製造年について
①初めにシャッターを見てみます。
シャッターを見てみると「SYNCHRO」と書いてあります。(裏には「COMPUR」とありました)
というわけで、前期/後期で分けた際は後期に当たるもののようです。
(先述:前期がCompurRapid/後期がSynchroCompur)
Wikipediaで調べてみると、これらはフリードリヒ・デッケル社製のシャッターであり、下記のように記載があります。
Wikiを鵜呑みにするタイプの人間なので、このカメラの製造年度は1951年~1955年にまで絞り込むことができました(1年しか絞り込めていない…)。
②次にレンズの表記を確認しました。
どうみても「Zeiss-Opton」と書いてあります。
このZeissOpton(オプトン)とは東西分裂時の西ドイツにおけるZeiss社です。その後東ドイツのCarlZeissJena(イエナ)社と商標を争い、1953年にCarlZeissのブランド名を勝ち取ることになったそうです。
この裁判後どれくらいの期間を開けて「CarlZeiss」表記になるのかはわかりませんが、
少なくとも1953年以降であることはわかりました。
③結果
いま得られた情報をまとめると下記のよう3段階に分けることができました。
1950年:CompurRapid/Zeiss-Opton
1951以降のいつか~:SynchroCompur/ZeissOpton
1953年以降のいつか~:SynchroCompur/ CarlZeiss
結局明確な製造年度は分かりませんでしたが、
まあ1952年くらいに製造だろうとお茶を濁しておくことにします。
(レンズ記載のNrで何かしらわかりそうですが、情報が見つかりませんでした。今度書籍も漁ってみようかと思います。)
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保証期間内に動作確認を行いたかったため、さっそく業務フィルムで試し撮りをしてきました。次回はそこも含めて書いていきます。